自分と暮らす

一人暮らしを始めて半年が経った。

 

最初の週に込み上げた寂しさは落ち着き、程よい距離感に親がいる。その代わりに、より親密になったのは恋人でもなく友人でもなく自分だった。

 

自分の料理の味付け、洗剤や柔軟剤の好みを初めて知った。

 

怖かったり、悲しかったりした時にどういう風に対応したら落ち着けるのかや、仲良かった人のお金使いや価値観が違って見えたりした。

 

月々の家賃で、好きなものが買えるじゃん?もったいないよ。と言う人ももちろんそれは一つのアイデンティティだが、経験にお金を払うことも素晴らしいと思う。

 

着ることも無ければ、残ることもなく、見えるものでもないけれど、きっとその人の雰囲気や人生の選択に関わる大切なものだ。

 

まだ知らないことがあることを知っている人は、とてもセクシーだと思う。なぜなら、傲慢でなく謙虚で、まだ見ぬそれへ好奇心に満ち溢れているからだ。

 

暮らし始めても、本を読んだりNetflixフェミニズムに関するYouTubeを見始めた。それに伴い、自分の核となるものが出来始めている。

 

知れば知るほど辛く厳しい現実を知るが、さらにその先を知れば暖かく優しい世界があることも知った。

 

幾度となく静かな夜に、ゆっくりと形ができ始めている。自分と暮らし、対話をしていた間に。